ある日、経営者になる。
ある日突然、経営者に
「今日からこの会社の社長になって、あなたが従業員の面倒を見なければならなくなりました。」
と突然迫られたら、どうしますか?
考えただけでも嫌な汗が出てきます・・・。
ある女性経営者の方は、パートナーを病気で亡くし、その仕事を引き継ぎました。
右も左もわからない、未経験の業界です。
新入社員として飛び込むのではありません。
代表者として従業員の上に立たなければならないのです。
その重圧、不安、孤独感など、私には想像することすらできません。
仕事そのものに必死に取り組んだのはもちろんのことですが、それで重圧や不安から解放されるわけではありません。
取引先や従業員との関係もゼロから築いていかなければなりません。
相当な孤独感と闘っていたはずです。
それらを克服するために、彼女は何をしたか?
彼女は、従業員に手紙を書きました。
毎月何冊もの本を読んで、毎月、手紙を書きました。
私も、彼女がこれまでに書いた手紙をたくさん読ませていただきました。
そこには、どうやってこの状況を突破するか、そのためにはどこに集中するのか、何を一番大切にするのかを真剣に考えたその想いが目に見えるようでした。
今では従業員の皆さんも彼女の手紙をすごく楽しみにしていて、ご家族に読み聞かせたりする方もいらっしゃるそうです。
ある日の手紙
ある日の手紙をご紹介します。
今月は、突然の代表交代に、ご心配をおかけしましたこと、深くお詫び申し上げます。
みなさんのお力添えがなければ、乗り越えることのできなかった3月だった様に思います。
本当にありがとうございました。
そして、大変お疲れ様でした。
今後は、みなさんが、不安に感じることが少しでも少なくなる様、精一杯努力していきたいと思うのと同時に、風通しの良いアットホームな『チーム』を目指していきたいと思っています。
『一日一日と今日こそは
あなたの一生が(私の人生が)
新しく生まれ変わるチャンスです
自分に対しては
損と得とあらば損の道をゆくこと
他人に対しては
喜びのタネまきをすること
我も他も(私もあなたも)
物心共に豊かになり(物も心も豊かになり)
生きがいのある人生にすること』
この言葉は、私が志す生き方の一つです。
伝えたい想いと、伝わっている想いは必ずしもイコールではないけど、なるべくそれが近づける様、私なりの覚悟と責任を持ってこれから挑んで行きたいと思います。
だけど、まだまだ足りない部分がありますので、ご指導宜しくお願いします(^^
「自分に何ができるか」
この手紙以外にもたくさん読ませていただいているのですが、かなりの文才をお持ちの方だな、といつも感じます。
とんでもない状況になって、覚悟を決めて「自分にできることは何か」に集中して考えた結果、自然と最も得意な方法で従業員の心をつかみ、そこをすべての核にしていったんでしょうね。
「強み」とは「できることは何か」を突き詰めることから生まれるのかもしれませんね。
税務のことなら朝日税理士法人へ
坂口