国民年金の保険料
国民年金について、「年金制度の先行きが不安だから」という理由で納付をしていない方がおられませんか?
法令上納付義務があるからということとは別に、検討してみます。
元が取れるか
国民年金の給付額は、480か月保険料を納付した場合に年額780,100円となり、保険料納付期間が480か月より少なければ、それに比例して減少します。
360か月しか納付していなければ、年額が780,100円×(360÷480)=585,075円となります。
つまり、1か月分16,260円の保険料を納付すると、月額で135円年金額が増えます。
これで計算すると、約10年年金を受け取ることができれば、元が取れます。
社会保険料控除の対象となるため、所得税率が5%の方であれば住民税と合わせて15%、20%の方であれば30%節税効果があります。
これも考えると、所得税率20%の方の場合、7年間年金を受け取ることができれば元が取れるということです。
7年間ということは、65歳で受給開始したとして、72歳です。
今後の給付額の減額等の可能性はありますが、「それまで受給できなければ損をする」等考えなくてもよいと思います。
軽視できないのは「長生きリスク」です。
公的年金制度の良い点は、給付が終身にわたって受けられる点です。
平均寿命と平均余命
このふたつの言葉の違いはお判りでしょうか。
平均余命とは、ある年齢の人が今後何年生きられるかの平均
平均寿命とは、0歳の人の平均余命です。
平均余命は「平均寿命-現在の年齢」ではありません。
「平均寿命-現在の年齢」より少し長くなります・
平均寿命は、現在の年齢に達するまでに死亡する割合が反映されていますので、それよりも平均余命は長くなるのです。
2015年の日本人の平均寿命は男性が80.79歳、女性が87.05歳です。
これに対し平均余命は
現在50歳の場合 男性32.39年、女性38.13年
現在55歳の場合 男性27.89年、女性33.45年
です。
現在の年齢と合計して平均寿命との差を計算しますと
現在50歳の場合 男性82.39(1.6年)女性88.13(1.08年)
現在55歳の場合 男性82.89(2.1年)女性88.45(1.4年)
となります。
意外と差があります。
節税を考えるなら、国民年金保険料の未納があったらまずそれを解消すべきでしょう。
納付した国民年金保険料は、過年度分も含めてその年の社会保険料控除の対象となります。
疑問点等ありましたら、朝日税理士法人までご相談ください。
Hama