海外赴任にあたって自宅を貸した場合の課税関係は?
質問①
平成27年4月1日から海外赴任(5年間)する予定の佐藤さんは、自宅のマンションを賃し出す予定です。
この場合の不動産所得は、どの国に申告すればいいのでしょうか?
回答①
日本での不動産所得は日本で申告しなければなりません。
海外赴任にあたって、ある程度の年数が見込まれるときは、日本にある自宅を賃貸に出すことも多いと思います。
この場合、不動産所得を得るわけですが、この所得は非居住者であっても日本で申告しなければなりません。
非居住者であっても、国内で得た所得である「国内源泉所得」については日本の所得税がかかってくるのです。
海外勤務中の給与が日本で課税されなくても、マンションを貸していたら日本で申告しなければいけないのですね(-_-;)
その他にも国内源泉所得に該当して、確定申告しなければならない所得が色々あります。
例えば、不動産を売却した際の譲渡所得です。
原則として代金入金時に源泉徴収されているはずですが、確定申告が必要となります。
質問②
確定申告が必要と言うことは、毎年確定申告の時期に日本に帰ってこなければならないのでしょうか?
回答②
そんなことはありません。
非居住者の確定申告書の提出等を本人の代わりに行ってくれる「納税管理人」を決めて出国するのが一般的です。
納税管理人というと難しそうに聞こえますが、実際は誰を指名しても大丈夫です。
税理士のような資格がないとできないものではないのです。
家族や友人、頼まれてくれる人がいれば誰に頼んでもOKで、それが個人ではなく法人でもOKなのです。
ただ、実際の作業は、あなたの代わりに申告書を作成・提出したり、税務署からの郵送物を管理したりすることになります。
ですので、そのあたりの知識が疎い人だとちょっと心配 😐
信頼できる人に依頼するのが一番だと思います。
「納税管理人」を受けてくれる人が決まったら、佐藤さんの納税地を所轄する税務署長に「所得税・消費税の納税管理人の届出書」を提出する必要があります。
届出を提出すると、本人が海外勤務している期間中は、税務署からの郵便物などが納税管理人に届きます。
所得税だけではなく、個人住民税・固定資産税なども納税管理人の届出を提出しておけば万全ですね。