生命保険の満期保険金を一時金で受け取った時の税金は?



生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき、後から支払いの計算書が送られてきて、そこには「この計算書は確定申告に必要となります。」なんて書かれています。
税金がどのくらいかかるのだろうと心配になるかもしれませんね。

満期保険金が受け取れる保険の種類としては、養老保険、こども保険(学資保険)などがよく知られています。

満期保険金の課税

満期保険金等を受け取った場合、保険料負担者満期保険金の受取人が誰であるかによって、かかる税金が違ってきます。

  1. 契約者(保険料負担者)と受取人が同一人物 ⇒ 所得税
  • 満期保険金を一時金で受領した場合 ⇒ 一時所得
  • 満期保険金を年金で受領した場合 ⇒ 公的年金以外の雑所得
  1. 契約者(保険料負担者)と受取人が別人 ⇒ 贈与税

※一時払養老保険等で保険期間等が5年以下のもの及び保険期間等が5年超で5年以内に解約されたものは除きます。こちらについては、源泉分離課税制度が適用されます。詳しくは、別の回に取り上げたいと思います。

所得税が課税されるのは、上記1.のように保険料の負担者と満期保険金の受取人が同一人の場合であり、実際にはこのケースが非常に多いと思います。
所得税よりも贈与税の方が税額が大きくなり、税負担が大きくなる場合が多いので注意が必要です。

贈与税がかかる契約形態の例

契約者 被保険者 満期保険金受取人 税金の種類
契約形態 贈与税

しかし、契約後何年もたつと、どのような契約をしたのか忘れてしまっていることもあるのでは?
ご心配でしたら、受取人についても保険証書に記載されていますので、内容を確認してみてください。

満期保険金にかかる一時所得の税金

(ご自身が保険料を負担した)満期保険金を一時金で受け取るものは、一時所得になります。
では、一時所得の税金はどのように計算されるのでしょうか。

課税される一時所得の金額の計算式は

(受け取った満期保険金の総額-払い込んだ保険料-50万円)×1/2

となります。
わかりやすく言うと、払った保険料より増えた金額が50万円を超えなければ課税されません。

例えば、学資保険を契約して、保険料月額12,500円、子どもが0歳から18歳まで保険料を払い込み、満期保険金を300万円受け取った場合で考えてみます。

  • 支払保険料総額:12,500円 × 12か月 × 18年 = 2,700,000円
  • 300万円(満期保険金) - 270万円 = 30万円
  • 30万円  -50万円 = 0円(マイナスの場合は0となります)

また、上記で計算した所得金額がプラスとなったとしても、その所得の1/2を他の所得と合算して税金の計算をしますので、税法上優遇されています。

 

近年では、昔のように、払った保険料を大きく超えた額を満期保険金で受け取ることができるようなケースはあまりないと思われますので、「確定申告に必要です」という計算書を受け取ってもそんなに驚かなくても大丈夫だと思います。

満期保険金を受け取ることができる生命保険の契約をする時には、将来高額な税金が課せられることにならないように、満期保険金を受け取った時のことも十分理解した上で契約形態を決めたいものです。

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