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空き家を放置すると固定資産税が6倍に!?



固定資産税における住宅用地の特例

土地についてかかる固定資産税のうち、住宅の敷地については以下の減額措置が適用されています。

  200㎡以下の部分  固定資産税  1/6
 都市計画税   1/3
  200㎡超の部分  固定資産税  ※1/3
 都市計画税   2/3

※建物の課税床面積の10倍が上限となる。

この特例が、平成27年度税制改正によって、一定の空き家の敷地の場合は受けられなくなります。

背景

総務省の統計によると、平成25年10月1日現在で空き家の数は820万戸、空き家率は13.5%に達しており、増加の一途をたどっています。
(因みに岡山県は、空き家率が全国ワースト9位で、15.4%となっています。)
ほとんど管理されていない状態で空き家が放置されると、建物の倒壊や火災等の危険、その他衛生上、景観上等のさまざまな問題が発生します。
このような空き家の処分や適切な管理・活用を促すため、空き家の中でも特に問題視すべき空き家を「特定空家等」として、この特定空家等の敷地については、建物があっても更地と同じ固定資産税を課しますと改正されました。

この改正が行われた理由としては・・・例えば、上の特例のことを全く知らなければ、
①街の景観の為、良かれと思って建物を解体して更地にした。
②すると、この敷地が住宅用地の特例の適用外となってしまった。
③固定資産税が約6倍にもなってしまった。
ということが起こり得ます。
しかし、きちんと理解はしていなくても、建物を取壊すと固定資産税が高くなるということはみなさんよくご存知です。
その為「取壊し費用もかかる上に、固定資産税が高くなるくらいならこのままにしておこう」と思われる方が大半です。
この結果、空き家が増加の一途をたどっているのです。
これを解消するため今回のような改正が行われたと言われています。

空き家判定の目安は?

では、空き家はどこから空き家と判断されるのでしょうか?
国交省と総務省が策定した指針では、空き家かどうかの判断基準として「1年間使用されていないことが1つの目安となる」と示されました。
この例示として、

  • 建物への人の出入りの有無
  • 電気・ガス・水道の使用状況・使用実績、それらが使用可能な状態にあるか否か
  • 建物とその敷地の登記記録、建物の所有者等の住民票の内容
  • 建物の適切な管理が行われているか否か
  • 建物の所有者等によるその利用実績についての主張

といったことが挙げられています。

特定空家等

上で、空き家の中でも特に問題視すべき空き家を「特定空家等」としていると書きました。
これをもう少し詳しく説明すると、上で言う空き家であることに加えて、
①倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
②著しく衛生上有害となるおそれのある状態
③適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
④その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
のような状態にある空き家のことを「特定空家等」としています。

この「特定空家等」についても、別途「特定空家等の是正措置に関するガイドライン」として判断基準を設ける予定ですが、現在のところ公表はされていません。
ただ、どのような基準を設けても、持ち主の判断と行政の判断に乖離が生まれるのは目に見えています。
その為、判定基準をより細分化し具体例を例示して、誰がどう判断しても同じ結果になるような客観的な基準を作らなければ行政も判断に困ると思います。

「特定空家等」の指定の流れとして・・・
まず、市町村が空き家を調査して所有者に適切な管理をするよう指導しますが、問題のある空き家が放置される場合は「特定空家等」とされてしまうことになります。
また、市町村は、所有者が指導・勧告・命令等に従わない場合は、行政代執行により強制執行(強制取壊し)ができるようになりました。
所有者の特定についても、これまで徴税のための利用に限られていた固定資産税などの個人情報を、必要な範囲で利用できるようになりました。

更地でも空き家でも固定資産税は同額、ならば放置でも良い?

「特定空家等」の敷地でも更地と同じ固定資産税がかかるだけなら、放置しても同じような気もします。

ただ、そこまでの状態でなければ、放置せず、定期的に維持管理をすることで固定資産税を低いままで抑えることができます。
遠方にある場合の交通費や、業者に委託する場合の費用はかかってしまいますが・・・。

また、建物は人が住まなくなって手入れをしなくなるとみるみる傷んでいきます。
売却可能な建物も僅かな時間の経過で売却困難となってしまい解体せざるを得なくなるかもしれません。
解体にもかなりの費用がかかりますし、行政代執行により解体された場合もその費用は所有者が負担しなければなりません。

空き家の持ち主の方は、早い段階で

  • 売却する
  • 解体して有効活用する
  • 維持管理のみ続ける
  • 維持管理コストの方が高いと考えて放置する

といった検討は必ず行って下さい。
検討を行わずに、ただ放置するというのは避けた方が賢明だと思います。

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