非居住者に支払う対価の源泉徴収
昨今は、大企業のみならず中小企業までもが海外進出又は海外事業展開することも珍しくなくなったご時世です。
アジア地域への海外出張が多い社長様の話によると、その方面の国際線飛行機のビジネスクラスは、いつも一杯だそうです。
海外に事業拠点を設けたり、輸出入もそうでしょう。
顧問先様の税務調査に立ち会っていても、税務当局が海外送金等に注目していることを実感します。
「海外勤務者の税務・社会保険・給与」といったテーマで開催されたセミナーなどは、大盛況です。
海外的な事業活動を始めて間もなかったり、これから始めようと検討中の中小企業の関係者が参加されているものと思います。
しかし、そうは言っても、普段、非居住者や外国法人と取引のない個人の方や法人は、非居住者等に支払う対価に対して所得税の源泉徴収義務が生じるケースに馴染みが薄いことも事実です。
ここで、「非居住者」とは、「生活の本拠又は現実に居住している場所が、日本国外にある個人」を言います。
最近は、海外移住している日本人も多いですよね。
例えば、法人が、非居住者所有の日本国内にある土地を購入した場合、その売買代金を支払う際に10.21%の所得税及び復興特別所得税を源泉徴収する必要があります。
広義の国際税務は、身近なところに潜んでいます。