預金の生前贈与をするときに気を付けること
生前にお子さんやお孫さんに財産を贈与して、相続財産を減らせば納める相続税は減ります。
そのためには、早めに贈与を開始して、長い年月をかけた方が有効な相続税対策になります。
【贈与契約書の作成】
民法上の贈与は口頭による場合でも成立しますので、贈与契約書の作成は贈与の成立のための絶対的要件ではありませんが、当該贈与の内容(贈与日、贈与者、受贈者及び贈与財産等)を明確に書面で記録しておくことは、税務上はもちろんのことですが、重要なことだと思います。
【贈与内容の履行】
現金預貯金の贈与である場合には、贈与者が受贈者の銀行の通帳に振り込む方法により実行することが望ましいと考えられます。定期預金等をそのまま贈与する場合には、当該定期預金証書等の名義書換えを行い贈与者から受贈者に対して当該定期預金等の贈与があった事実を明確にしておくことが必要です。
【通帳、カード、定期預金証書及び印鑑の管理等】
受贈者が振込を受けた受贈者名義の銀行預金口座の通帳及びカードや贈与者から受贈者に名義書換がなされた定期預金証書は、受贈者固有の印鑑を届出印として作成されたものであり、通帳、カード、定期預金証書、印鑑を受贈者本人が管理支配していると認められることが必要です。
【受贈者が預金の使用収益権を持っていること】
受贈者が贈与者から贈与を受けた預金について、受贈者が自由に入出金や解約できるものであることが必要です。たとえ、贈与契約書を作成し、贈与資金の移動がされても、受贈者が使用収益権を持っていない場合には、贈与は成立していないものと考えられます。
【贈与税の申告】
年間の受贈額が110万円以下である場合には贈与税は課税されませんので、贈与税の申告は必要ありません。
しかし、贈与税の申告をすることにより、贈与の実績を明確にするために、110万円を超える贈与をするのも一つの方法であると考えられます。
【毎年継続して贈与する場合(連年贈与)】
毎年、同じ時期に同じ金額の贈与が継続してなされると、課税庁は、「連年贈与」として取り扱うことも考えられます。この場合、贈与額の全体に対して初年度に課税されることになり、多額の贈与税を納めなければならなくなります。
毎年、毎年、贈与していることを明確にしておく必要があります。間違っても、毎年贈与契約書を作るのが面倒だから、「これから先、毎年110万円づつ贈与する。」なんて契約書は作らないでください。
相続税・贈与税に関することなら朝日税理士法人にお気軽にお問い合わせください。
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