個人の居住用不動産賃貸にかかる消費税
個人事業者の場合、消費税の納税義務は前々年(「基準期間」といいます。)の課税売上高によって納税義務の有無が決まります。
課税売上高とは、①物を売って発生する売上、②物を貸して発生する売上、③サービスの提供によって発生する売上が該当します。この課税売上高が年1000万円を超えた場合、消費税の納税義務があります。
居住用不動産にかかる家賃収入はといいますと、②物を貸して発生する売上に該当するのですが、消費税法上、非課税売上とされていますので、仮に年1000万円を超えたとしても消費税の納税義務はありません。
では、その居住用不動産を平成29年に売却した場合はどうなるでしょうか。土地4000万円、建物1500万円で売却した場合、①物を売って発生する売上に該当します。
土地は消費の性質になじまない(時の経過により価値が減少する性質ではない)ことから非課税売上となりますが、建物の売却は課税売上に該当します。この場合、平成29年の消費税の課税売上高が1500万円となり、1000万円を超えるため、翌々年の平成31年については消費税の納税義務者に該当することになり申告義務があります。
課税事業者である平成31年に居住用の家賃収入などの非課税売上のみであれば消費税は発生しませんが、貸駐車場やテナントとして賃貸している建物の賃貸収入は、課税売上高に該当しますので納税が発生する可能性があります。
さらに、課税事業者である年中に建物の売却など金額の大きな取引をした場合、多額の消費税が発生する場合があるので特に注意が必要です。
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