個人事業から法人成り
個人事業を始めて3年目、今期から消費税の納税義務が発生する方からの相談です。
消費税の納税義務については「消費税の届出関係」「特定期間って何?~法人の新規設立初年度は7カ月以下に~」」を参考にしてください。
「税金って高いですね。
サラリーマンの時は気にしたことが無かったのですが、確定申告で利益を計算し、それに応じた税金を自分で計算してみるとこんなに払わないといけないのかとビックリします。
今年からは消費税も払わないといけないので法人成りを考えています。」
よくある相談です。
この方、ざっくばらんに色々話してくれました。
「一年目はママカリ(岡山の確定申告会場)で、内容もほとんど見られることなく、申告が終了しました。
そして、二年目は各市町村の出張会場に持っていきました。
そしたら、内容を根掘り葉掘り聞かれ、領収書や請求書の提出まで言われましたよ。
待ち時間は長いけどママカリでした方が気楽でいい。」
よくある間違った認識ですが、日本の所得税等では「申告納税制度」を採用しています。
申告納税制度とは、納税者が自ら税務署へ所得などの申告を行うことにより税額を確定させ、この確定した税額を納税者が自ら納付する制度です。
申告がない場合または申告が不相当と認められる場合に限って、租税行政庁の更正ないし決定によって税額を確定することができます。
申告納税の手助けの為、指定の申告会場や出張所では申告書等の書き方を教えてくれるだけなので、確定申告書を提出してしまえば問題なく終了って訳では無いです。
明らかに変な申告してたら後に税務署からの問い合わせ電話があるかもしれません。
また、実際の税務調査の際に間違いを指摘された場合に、「ママカリでは何も言われなかった」等と反論しても調査官が聞き入れてくれることはありません。
自分で申告するのですから、間違いを教えてくれなかったと言っても認められないのは当然といえば当然です。
「会社にすれば、個人時代の事は言われないですか?
個人時代書類を捨ててもいいですか?」
ダメですよ。個人あっての法人成りですから、事業が継続している限り、切り離して考える訳にはいきません。
税金が高いから、変なことをして減らそうと考えてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、個人事業だろうが法人だろうが関係なくキッチリ帳簿をつけて、いつ税務署が来ても問題ないようにして行った方がいいと思いますよ。
ドキドキしながら毎日を過すよりは、しっかり仕事して、いっぱい稼いで、出来る限りの節税してそれに見合う税金を払う。
きっと物理的にも精神的にも豊かな生活になると思います。