所得税と住民税で別の申告書を提出する?



ということは、これまではありえないことでした。
ところが平成28年確定申告より、一部の所得について所得税と住民税で異なる課税方式を選択できるようになったのです。

その主なものは
源泉徴収ありの特定口座内の上場株式の譲渡所得等における
・申告不要制度と申告分離課税の選択
上場株式等の配当所得における
・申告不要制度、申告分離課税及び総合課税の選択
です。

ポイントは、
・申告不要制度を利用しなければ株式の譲渡所得、配当所得が住民税の課税所得にも含まれ、結果として健康保険料等が高くなる場合がある
ということと
・所得額によっては配当所得において総合課税を選択することで所得税額を少なくできる
・株式の譲渡損失がある場合に、申告分離課税を選択し損益通算することで所得税額を少なくできる
ということが両立せず、どちらが得か総合的な損得判定が必要だったのが、例えば配当について所得税では総合課税、住民税では申告不要制度といった、いわばいいとこどりが可能になったのです。

岡山市における手順
実際にそのような申告を行いましたので、注意点を自分の備忘記録を兼ねて以下に記載します。
①申告書提出順序
申告書作成ソフトは対応していないので、所得税を電子申告することとし、住民税は岡山市に紙提出することとしました。
その場合、一部自治体においては、「所得税と住民税のどちらの申告が先でもよい」とされていましたが、岡山市では「住民税を先に申告してほしい」と言われました。
平成29年申告以降は、申告書作成ソフトの対応によりこの点は問題なくなるかもしれません。
②添付書類
源泉徴収票、生命保険料控除証明書等については、所得税と住民税とそれぞれ申告するとなると原本はどちらかにしか提出できません。「住民税申告書の紙提出にあたり、コピーを提出すればよい」となるかな、と思って岡山市に問い合わせしたところ、岡山市では「原本を郵送してほしい、チェックの上返却する」との対応でした。

確定申告について、お気軽に朝日税理士法人にご相談ください。

Hama

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