インボイスのよくあるお問い合わせ



インボイス制度について、よくいただくご質問

銀行の振込手数料についてのお問い合わせがとても多いです。
その中でも、売手側が振込手数料を負担した際のインボイスの処理方法についてご紹介します。

売手側が振込手数料(例として550円)を負担する場合は方法として3つのパターンがあります。

パターン1:売り手が振込手数料の扱いを「売上値引」とする方法
振込手数料を売り手が負担した場合550円を「売上値引」として処理します。

パターン2:「代金決済の役務提供を受けた対価」とする方法
売り手側が買い手側に対して550円分のサービスの提供を依頼したと考えて処理します。

パターン3:「買い手が売り手のために振込手数料を立替払いした」とする方法です。
振込手数料は売り手負担で、買い手が立替払いをしたと考えます。

契約などによって処理方法が決まりますが
弊所では、パターン1の「売上値引」とする方法をおすすめさせていただいております。

この方法ですと例えば
「5万円の請求に対して、振込手数料550円を差し引いた4万9,450円が振り込まれた」
という場合、売手からすれば「請求額から550円値引きした」のと同じですから
「5万円であった請求を4万9,450円にした」という仕訳処理をするだけです。

これを「5万円の請求をして550円の振込手数料を負担した」と処理をしていれば
買手側から550円の振込手数料分のインボイスを発行してもらわなければいけません。

値引きとして処理する場合も、本来はインボイスの交付が必要です。
しかし、事務負担が大きいことから、
1万円未満の少額な返還インボイスについては交付義務が免除されます。
そのため実務上は値引きしたという仕訳処理をするだけで良いのです。

また、値引き処理する場合2つの方法があります。

A「勘定科目を支払手数料とし、課税区分を売上値引にする」方法

預金              /  売上 49,450
支払手数料(課税区分:売上返還)/  売上 550

B勘定科目を売上値引勘定とし、従来の課税区分で処理する」方法

預金              /  売上 49,450
売上値引            /  売上 550

Aの課税区分を変える方法の場合、支払手数料に補助科目を2つ作成し
その補助科目の一方に課税区分(仕入)、他方に課税区分(売上返還)として
通常の支払手数料と判別できるように処理していく必要があります。

【国税庁HP】少額な返還インボイスの交付義務免除の概要

 

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朝日税理士法人

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