太陽光発電事業と簡易課税制度
簡易課税制度とは、その課税期間の前々年又は前々事業年度の課税売上高が5000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している事業者は、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる制度です。
太陽光発電事業は第3種事業に該当します。
第3種事業のみなし仕入率は70%です。太陽光発電設備の場合、投資初年度以降は支払う経費がほとんどありませんので、原則課税の場合、売電収入に対する消費税のほとんどが納付税額となりますが、簡易課税の場合はみなし仕入率の適用により納付税額は30%となります。
太陽光発電設備の消費税還付のために課税事業者を選択する場合、原則課税により最低3年間は申告することとなります。
また、課税売上高が1,000万円未満の場合、4年目以降は免税事業者となるため、関係ない方は多いかもしれません。
しかし、他に事業所得などがある方で課税売上高が5,000万円以下の方は考える余地はあると思います。
逆に、事業所得などがある方で現在、既に簡易課税を選択されている方も注意が必要です。
太陽光発電設備に限らず、多額の設備投資をする場合、簡易課税制度を選択されていると設備投資に係る消費税還付が受けれないこととなります。
簡易課税制度を選択した場合、原則として2年間は原則課税に変更することができませんので設備投資を計画されている場合は慎重に判断する必要があります。