日本の景気は本当に良くなっているのか



東京商工リサーチの「休廃業・解散企業」調査によると、2015年の休廃業・解散件数は2万6,699件(前年比2.4%減)で、2年連続で前年を下回りました。
がしかし、リーマン・ショック後の2009年以降、2万5,000件以上の高水準を持続し、2015年の倒産件数8,812件の約3倍にもなります。
倒産件数が9,000件を下回ったのは25年ぶりです。

※東京商工リサーチは、休廃業を「資産が負債を上回る資産超過」状態での事業停止、解散を「企業の法人格を消滅させるために必要な清算手続きに移行するための手続き」と定義しています。

いずれも倒産には集計されません。

休廃業・倒産、年次推移

この「倒産件数」を聞くと、日本の景気は上向いてきたかと思う人が多いでしょう。
「倒産」が強制的に事業を断念させられることだとすれば、「休廃業・解散」は自主的に事業を断念することであり、「事業を継続できない」という意味では同じなので、「休廃業・解散」のことを「隠れ倒産」とも言います。
倒産の動向は、この隠れ倒産も併せて考えないと、全体像を把握することができません。
広義の倒産件数は、大きく減っていないのです。

 

帝国データバンクも同様の調査を行っており、その集計件数をまとめたものが下記の表です。

2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
休廃業・解散 24,080 24,513 27,306 26,180 24,843 25,007 25,840 25,301 24,106 23,914
倒産 9,351 10,959 12,681 13,306 11,658 11,369 11,129 10,332 9,180 8,517
合計 33,431 35,472 39,987 39,486 36,501 36,376 36,969 35,633 33,286 32,431

 

最近、待機児童問題で過激なブログが話題に上りましたが、「休廃業・解散」件数が多いことも、日本の屋台骨がぐらついている現象の現れのような気がします。
出生率を上げようにも子育て環境が整ってないとか、後継者難(人材難)・経営難等による企業の継続性に疑義が生じているとか。
日本の財政問題も、将来世代への負担の先送りが目に付きます。
公的年金も支給開始年齢が繰上げられるばかりか、年金自体もらえるのだろうかと、若者は不安に思っています。
若者が明るい未来を描けるような世の中になってほしいものです。
最後は、景気問題から脱線してしまいました。
ヒト・モノ・カネの経営余力のある会社であるならば、事業承継・後継者問題で会社を閉めるのは勿体ない話です。
やむを得ず廃業せざる得ない方もいらっしゃれば、他方で、起業しようと意欲を持った方もいらっしゃいます。

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皆様のお役に立てれば、我々も大変うれしいです。

 

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