育児・介護休業法、男女雇用機会均等法の改正(H29年1月1日施行日)
育児・介護休業法、男女雇用機会均等法の改正が、H29年1月1日から施行されます!
《改正の概要》
①介護離職を防止し、仕事と介護の両立を可能とするための制度の整備
②多様な家族形態・雇用形態に対応した育児期の両立支援制度等の整備
③妊娠・出産・育児休業・介護休業をしながら継続就業しようとする男女労働者の就業環境の整備
となります。今回は、その中でも①に焦点を当てて解説致します。
「①介護離職を防止し、仕事と介護の両立を可能とするための制度の整備」の具体的内容は、
a)対象家族1人につき、3回を上限として通算93日まで、介護休業の分割取得を可能とすること。
改正前:原則1回に限り、93日まで取得可能
改正後:対象家族一人につき通算93日まで3回を上限として、分割取得可能
つまり、これまでは、対象家族一人につき、要介護状態に至るごとに1回で通算93日まで取得することができました。対象家族が要介護状態から脱し、新たに要介護状態になった場合には、現行法でも2回目の介護休業を取得することができました。
言い換えると、要介護状態が継続している限りは1回しか取得できないというものでした。
今回の改正で、要介護状態が続いていても対象家族一人につき、介護休業を3回を上限として通算93日まで分割して取得することが可能となりました。
b)介護休暇の半日単位の取得を可能とすること。
改正前:1日単位で取得
改正後:半日(所定労働時間の2分の1)単位で取得可能
★「半日」とは具体的に所定労働時間の2分の1をいいます。(1時間に満たない時間は切上げ)
例えば、所定労働時間が、7時間15分n場合
1時間に満たない時間、つまりこの場合15分の端数は、切上げとなり、所定労働時間が8時間となります。その2分の1ということは、半日は4時間になります。
c)介護のための所定労働時間の短縮措置等を介護休業とは別に、利用開始から3年間で2回以上の利用を可能とすること。
改正前:介護休業として通算して93日の範囲内で取得可能
改正後:介護休業とは別に、利用開始から3年間の間で2回以上の利用を可能とする
介護短時間勤務等は、介護休業とは分断され独立の制度となりました。
介護休業を介護のための所定労働時間の短縮措置の間に挟んで取得することも可能ですし、労働者が希望すれば3年間ずっと所定労働時間の短縮措置を利用することも可能となります。
d)所定外労働の免除を介護終了までの期間について請求することができる権利とすること。
新設:介護終了までの期間について請求することのできる権利として新設されました。
e)有期契約労働者の介護休業取得要件を緩和すること。
改正前:①当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上あること
②介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日を超えて引き続き雇用されることが見込まれること
③93日経過日から1年を経過するまでの間に、その労働契約の期間が満了しかつ、当該労働契約の更新がないことが明らかである者を除く
改正後:①当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上あること
② 介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6カ月を経過する日までに、その労働契約が満了することが明 らかでない者
今回は、①介護離職を防止し、仕事と介護の両立を可能とするための制度の整備に焦点をあてました。
次回は、育児休業にフォーカスしていきます。
また、就業規則の変更、労使協定の変更もお忘れなく!
S.t